東京大学の高校別合格数ランキングです。
上位20校には中高一貫私学がずらりと並んでいます。
20位以下は京都府内の高校のみ掲載しました。
※2018/03/21 麻布、日比谷、女子学院の合格数を修正
京都大学の合格発表が本日行われました。
受験・教育情報サイトのインターエデュでは早速、京大・東大などの合格ランキングが速報されています。
そこでの情報をもとに、現時点(10日午後9時)での京都大学合格数ランキング(暫定版)を作成してみました。
※2018/03/21 ランキング表を差し替えました(20位以下は京都の高校のみを掲載)
※2018/03/30 後期日程(法学部)の合格数を反映したものに表を差し替えました
現時点では北野の合格数が洛南を上回っています。まだ膳所、東大寺学園、洛星などの上位常連校の実績が不明ですし、洛南など各高校の最終合格者数がもう少し増えるかもしれませんが、1984年以来34年ぶりに北野が1位を獲得する可能性が高いのではないでしょうか。
漫画版の『君たちはどう生きるか』(原作:吉野源三郎、漫画:羽賀翔一/マガジンハウス)がヒットしています。すでに100万部を超え、同時に発売された原作の新装版も30万部を超えたそうです。
私が原作を岩波文庫版で読んだのは大学1回生の時。元々が「少国民文庫」として児童向けに書かれた作品を、大学生になって初めて読んだというのは、いささか遅くて恥ずかしいのですが、「ものの見方、考え方」「社会科学的認識の方法」という点で、いたく感銘を受けたことを記憶しています。それがいま再評価され、多くの人に読まれているのは大変うれしいです。
主人公のコペル君は中学2年生。原作が刊行されたのは1937年ですから、コペル君が通うのは旧制中学です。
旺文社教育情報センターの「今月の視点 大学入試の〝温故知新〝」(2011年4月)によると1940年当時の旧制中学進学率はわずかに7%。義務教育である現代の中学校とは異なり、旧制中学に通う生徒とは、ほんの一握りのエリート層です。
作中のコペル君の学校での成績は「たいてい一番か二番」の学業優秀な子どもです。2年前に亡くなったお父さんは大銀行の重役。近所に住む「叔父さん」は大学を出て間もない「法学士」という環境ですから、コペル君も中学卒業後は高等学校(旧制)、そして帝大というコースを歩むことが予想されます。
ただし、1940年の旧制高校の生徒数は、全国で2万人以下なので(旧制中学生徒数は43万人)、旧制中学の中でも一部の生徒しか旧制高校へは進めず、受験競争は熾烈を極めたようです。なお、作者の吉野源三郎氏自身は東京高等師範附属中(現在の筑波大附属中高)から旧制一高、東京帝大という経歴です。
そこで、今回は京大ランキングの番外編として、『君たちはどう生きるか』が執筆された1936年当時の旧制第三高等学校(戦後、新制京都大学の教養学部に包摂)1年生の出身中学別生徒数を調べてみました。
※三高入学と京都帝大入学はイコールではないので(三高から他の帝大に進むことも出来たし、他の高校から京都帝大に入学することも可能でした)、現在の京大合格ランキングとは意味合いが異なる点にはご留意ください。
1位はやはり京都府立京都第一中学(京都一中、現在の洛北高校)であり、他を大きく引き離しています。2位、3位にも地元京都の二中、三中が入っています。
大阪の中学出身者が意外と少ないなと感じますが、当時の大阪には官立の旧制大阪高等学校(後の大阪大学教養部)があり、兵庫には姫路高等学校(後の神戸大学教養部)がありましたので、大阪や兵庫の中学生はそちらを目指す人も多かったのでしょう。
また、関西圏には他に7年制高等学校(旧制中学と旧制高校が一体化したもの)として大阪府立の浪速高等学校と、私立の甲南高等学校も存在していました。
国公立大学の前期日程入試はまだこれからですが、年々拡大傾向にある推薦AO入試は一足早く合格者が決まり、週刊誌等でも報道されています。
京都府内の高校から、難関国立10大学(旧帝大および東工大、一橋大、神戸大)への推薦・AO入試での合格状況は次のようになっています。
※全体の6~7割の合格者判明率のため掲載の高校以外からも合格者がいる可能性があります。
※1 京都大学合格者に京教大附と龍大平安を各1名追加(2020/02/27)
■東京大学
西京1(法)
堀川1(工)
■京都大学
堀川3(文1 工1 薬1)
洛南3(文1 教育1 経済1)
京都学園1(農)
京教大附1(文)※1
西京1(人健)
山城1(経済)
洛星1(工)
洛北1(人健)
龍谷大平安1(人健)※1
■大阪大学
南陽3 桃山2 西京1 嵯峨野1 園部1
堀川1 山城1 洛北1
京都女子1 京都橘1 洛南1
■神戸大学
西京2 莵道1 堀川1 宮津1 紫野1 洛北1
南陽1
桃山1
■九州大学
山城1
立命館1
3年目となった東大推薦入試では西京と堀川から、それぞれ初の合格者が出ました。昨年まで2年連続で合格していた洛星、洛北からは今年は合格者がいなかったようです。
京大では堀川と洛南が3名ずつ合格しています。両校とも3年連続の京大特色入試での合格です。
他に3年連続で合格者が出ている高校は西京、洛星、洛北ですので、やはり京都における京大合格者数上位校が特色入試でも継続して合格しています。
ただ、西京は昨年6名合格が、今年は1名と大きく減らしました。もちろん、推薦入試での結果と一般入試の結果は別物ですので、今年は一般入試で京大に挑戦する人が多いということなのかもしれません。
サイゴン陥落でベトナム戦争が終結した1975年のランキングです。
順位の入れ替わりはあるものの上位6校までの顔触れは1970年と同じです。
1位北野高校の112名合格は1973年の114名に次いで同校史上2番目の合格者数です。これ以降、公立高の合格者数が100名を超えた年はありません。
(※追記:2020年に北野が100名合格を達成)
5位の京教大附属高校は、翌年以降は京大合格数が減少傾向となりますので、1975年が最後の50名超えの年です。
岐阜県のトップ校である岐阜高校が過去最高の7位にランクイン。愛知と三重も含めた東海地方の高校4校がトップ20入りし、4校合計で150名の合格者がいます。1970年代前半から中盤は東海地方の高校からの京大合格が最も多かった時期と言えると思われます。
なお、岐阜高校は1975年の東大ランキングでも34名合格で16位に入っていますが、その前年から開始された学校群制度が契機となって70年代後半からは東大京大合格数を減らしています。
東大寺学園がこの年、25名合格で初のトップ20入りを果たしました。翌1976年にいったん20位以下になりますが、1977年以降は2017年まで41年連続でトップ20入り、1985年以降は33年連続で10位以内、1988年以降は30年連続で5位以内と、長年にわたって上位を維持しています。