京都 進路資料室

-京都の高校 大学合格実績-

公立上位4校の専門学科を比較する

らく低迷していた京都府の公立高校の進学実績が上向きに転じたのは嵯峨野高校堀川高校に、進学指導に重点を置いた「専門学科」が設置されたことがきっかけだとされています。

2000年代の前半から堀川、嵯峨野、西京といった専門学科を設置した各校の進学実績が伸び始め、塾業界を中心に「公立御三家」といった言葉も生まれ、今ではすっかり定着しました。

この「専門学科」というものは文部科学省令「高等学校設置基準」などで定められているものです。工業、商業、農業などの職業教育をおこなうための専門学科を設置する高校は以前から各地にありました。

嵯峨野(京都こすもす科)や堀川(自然探究科・人間探究科)に設置された専門学科はそれらの職業教育とは異なり、実質的には大学進学指導に特化した普通科特進コースのようなものなので、総称して「特進系専門学科」と呼ぶ人もいます。

現在、京都府内には特進系専門学科を設置する公立高校が16校ありますが、やはり進学実績という点では堀川、西京、嵯峨野の3校が抜け出ています。桃山の自然科学科も今年はなかなか良い合格実績を出していそうなのですが、残念ながら高校側が自然科学科のみの大学合格実績を部分的にしか公表していないので正確なところがわかりません。

なお、堀川と嵯峨野には専門学科とは別に普通科も設置されていますが、公表されている大学合格実績をみる限り、両校とも専門学科普通科には進学面で大きな差があります。

これまで、このブログで紹介してきた各高校の進学実績は、それぞれの高校全体のものでしたが、入学試験の時点で専門学科普通科は別に募集され、高校3年間のカリキュラムも異なります。

専門学科普通科の定員割合が高校によって様々であることも考えると、各高校の進学実績を見る際には高校全体の実績だけでなく、専門学科普通科を分けて、専門学科同士や普通科同士で比べることも、これから高校を受験する立場の中学生や、その保護者の方々にとっては志望校選択にあたって意味のある情報となるように思います。

そこで今回は専門学科にしぼった進学実績について公立上位4校を一覧にしてみました。ただし洛北を除く各校が公表している進学実績では、既卒生(浪人)の大学合格数については専門学科普通科の区別がつきません。したがって下表の数字は洛北を含めてすべて現役のみの合格数で集計しています。

なお、洛北の中高一貫コースは高校設置基準上の専門学科ではありませんが、事実上の特進コースという意味では御三家の専門学科と同様の位置付けですし、来年度入学生からは高校課程が専門学科(サイエンス科)となる予定なので一覧に加えました。

 

 公立上位4校・専門学科の進学実績(2015年~2017年の3年平均・現役のみ)

f:id:mid7739:20170814044222p:plain旧帝大と神戸大医学部合格数は各大学の合格数と「③国公医」の両方に計上し、合計欄で重複分を控除しています。従って各大学の合格数を単純合計しても合計欄の数字と一致しない場合があります。

※生徒数は、学科別の卒業生数について確認できない学校がありましたので、4校とも入学生数で計算しています。転校、中退などで卒業生数とは若干の差異があると思われますがご了承下さい。

 

単年の合格実績のみでは各校とも年によって増減がありますので、過去3年間の合格数の平均値を集計しました。

生徒数は、最も多い西京高校・エンタープライジング科(定員280)と最少の洛北高校中高一貫コース(定員80)では3.5倍の差があるので、当然ながら生徒数の多い学校のほうが難関大学の合格者数も多くなります。

そこで、もう一つの視点として合格数を生徒数で除した百分率を「合格率」(正確な表現ではありませんが便宜的にそう呼びます)として比較すると以下のようになります。

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※最難関大:東大、京大、国公立大医学部

※難関大:旧7帝大、一橋大、東工大、神戸大、国公立大医学部

公立御三家と称される堀川、西京、嵯峨野ですが、難関大への「合格率」では堀川と他2校との間に大きな差があることがわかります。

公立トップ校である堀川探究科には各公立中学から最優秀層が集まるため、難関大合格率も有名私立中高一貫校に匹敵するものとなっています。

西京と嵯峨野は公立2番手校として、高校入試では同程度の難易度となっていますが、特に最難関大の合格率では西京が嵯峨野を上回っています。これは西京のほうには定員120名の附属中学があるためだと思われます。やはり難関大に現役合格するには中高一貫教育のほうが利点が大きいのでしょう。

洛北の中高一貫コースは高校から入学する生徒とのクラス合流がないため、カリキュラム的には西京よりも洛北のほうが私立中高一貫校に近いと言われています。定員が少ないために合格者の絶対数では御三家に比べると目立ちませんが、合格率では西京、嵯峨野を大きく上回り、堀川に迫る実績をあげています。