進路資料室

-京都の高校 大学合格実績-

京都新聞6月17日付記事「府内高校17年度大学合格調査」を補足してみる その②

 

回の続きです。表題の京都新聞の記事では関関同立(関西大・関西学院大同志社大立命館大)の合格者数についても触れていました。記事では関関同立に100人以上合格者がいたのは9校となっていましたが、こちらの集計では10校(城南菱創を追加)なので、10校について一覧にしてみました。

 

関関同立合格者ランキング(府内公立高)

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更新履歴:2017/10/24 山城の「立命館」「関西」「関西学院」の各合格数を修正。それに伴い順位も変更。

 

<表の見方・項目の説明>

「延合格数」は、現役と浪人を合わせた合格総数です。私立大学では1人の受験生が1つの大学の複数の学部学科を受験し、その結果として複数の合格通知を手にすることが可能であるため、合格数は実際の頭数よりも多くなるのが一般的です。

ただし、南陽・莵道の2校については浪人を含めた合格数が高校の公式サイト上で公開されていないため、週刊誌(「サンデー毎日」および「週刊朝日」、以下同じ)掲載の合格数に拠っています。

「実合格数」は、1人の受験生が同じ大学に複数合格しても1人とカウントした人数です。こちらのほうが実態に近い数字と言えます。なお、嵯峨野以外には実合格数を公表している府内高校はありませんので、他校の実合格数は週刊誌からのものです。

「現役進学数」とは、関関同立の各大学に現役合格した受験生の内、実際にその大学に進学した人数をあらわします。これも週刊誌掲載の数字から集計しました。関関同立の場合、国公立大学や他の私立大と併願しているケースが多いので合格者の内、実際に入学する割合は一般入試全体では2、3割程度となっています。難関国立大学への進学者が多い高校ほど、関関同立合格者に占める入学者の割合は低くなる傾向があります。

 

ンキングに並ぶ高校名は、前回の国公立大学ランキングと似たような顔ぶれですが、順位には違いがあります。一番目立つのは国公立大ランキングでは2位の堀川が、関関同立では6位と順位を下げ、合格人数でも上位と大きな差があることです。

東大、京大、阪大などの難関国立大学に合格する受験生ならば、関関同立は難易度的には十分合格圏内です。しかし、そういった難関大志望者は浪人も覚悟して第1志望の国立大を目指すので、現役の時には関関同立レベルの私立大をあまり受験しない傾向があります。また、関関同立には医学部がないので、医学部志望の受験生も当然ながら関関同立は受験しません。

このため、堀川のような難関大や医学部志望者が多い高校では関関同立の合格者はそれほど多くならないのだと思われます。同様に西京、洛北、嵯峨野でも、成績上位者では関関同立を受験する割合はさほど高くなく、そのため難関大合格数の割には関関同立合格数は多くありません。反対に、山城高校や紫野高校では国公立大学合格数に比べて関関同立合格数が多くなっています。

 

ういった各高校の特徴を見るには、人数に重複がある延合格数だけではなく、実際に進学した大学(当然、1人が1つの大学に進学する)はどこか、という点で比較してみる必要があります。①難関国立大、②その他の国公立大、③関関同立、④産近甲龍の4つの区分での現役進学率をまとめたのが下の表です。

※難関国公立とは、旧帝大および一橋大、東工大、神戸大、国公立大医学部という意味で使っています。

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数字は、今年の卒業生の内、各区分の大学群に実際に進学した割合を表します。また、各区分での割合の高低を赤色のグラデーションで表現しています。

国公立大学の中には関関同立よりも合格難易度の低い大学もありますし、産近甲龍の中の近畿大学には難易度の高い医学部や薬学部があるので、一概には言いきれない部分がありますが、基本的には表の右にいくほど入試難易度は低くなります。

堀川の場合は難関国公立大への進学割合が29.3%と最も高く、その他の国公立、関関同立と順に割合が低くなり、産近甲龍に進学したのは2%です。西京も同様に右にいくほど割合が低くなっており、難易度が高い大学に最も多くの生徒が進学するという上位進学校の典型的なパターンだと思われます。反対に、紫野や山城、莵道は関関同立産近甲龍への進学割合が高く、国公立大は低くなっています。

洛北は難関大進学率が堀川、西京に次いで高い一方で、公立上位4校(堀川・西京・洛北・嵯峨野)の中では産近甲龍の割合も相対的に高く、4つの区分に均等に進学しています。これは洛北が「中高一貫」、「普通科文理」、「普通科スポーツ専攻」と3つのコースにわかれていて、進学先にもコースごとの特徴が反映するためでしょう。

桃山や山城、紫野も専門学科普通科にわかれているので、同じ高校内でも専門学科の方が、より難易度の高い大学に進学する割合が多いと予想されますが、これら3校は専門学科普通科にわけた進学実績を公表していないので実際のところがよくわかりません。入口(高校入試)も、中身(教育カリキュラム)も別なのに、出口(進学先)だけは一緒にして公表というのは少々おかしい気がします。

おそらく何らかの教育的配慮の結果なのでしょうが、その一方で、3校とも学校案内パンフレットやホームパージでは、グローバルとかサイエンス等の言葉を並べて、難関大学進学への取り組みを強調しています。桃山高校の学校パンフには「難関大学現役合格者数が激増!」と、学習塾の広告のような言葉まで踊っています。

そういう宣伝文句(言い方は悪いですが)と、3校の進学実績の公表の仕方には、相当の落差を感じるというか、チグハグだなという印象を持ってしまいます。同じ公立高校でも堀川、嵯峨野、洛北はコース別の進路結果を公表しています。桃山、山城、紫野はいずれも京都市内では志望者の多い「人気校」ですので、願わくば適切な情報提供をおこなってほしいものです。

いささか、話しが脱線してしまいましたが、大学群ごとに進学割合を見てみると、各高校の特徴があらわれてくるように思います。

追記:その後、山城高校は学校公式サイトにアップされた「スクールガイド」にて現役浪人別の合格数や学科別の合格数を掲載されました(2017/10/24)