進路資料室

-京都の高校 大学合格実績-

京都新聞6月17日付記事「府内高校17年度大学合格調査」を補足してみる その①

京都新聞に「府内高校17年度大学合格調査」という記事が掲載されていました。今回は公立編と書いてあるので後日、私立編も載るのでしょう。

記事では、京都市・乙訓通学圏での総合選抜の廃止など、14年度に公立高校の入試制度が変更された1期生が大学受験を迎えたということで、各高校の進学実績の変化に着目し、公立高校の序列化が強まったと報じています。

ただし記事では、「国公立大50人以上」の合格数だった16校の学校名を表にしているものの、各校の合格数までは具体的に記載していません。地元紙として「学力層の序列化」を危惧する声に配慮したものと思われますが、中途半端な感じは否めません。

そこで、各高校のホームページなどに掲載された合格実績をもとに、記事にあった16校の国公立大合格数を紹介します。

 

国公立大学 合格数ランキング(府内公立高)

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表の各大学の合格数は現役・浪人を合わせたものです。ただし、国公立大合格合計で赤字になっている高校は現役のみの数字です。したがって浪人を含めた合格総数はもう少し多い可能性があります。

こういう資料を作っていて不思議に思うのは、京都の公立高校には大学合格実績を現役合格のみ発表している所が多いことです(私立高では逆に、現浪合計のみで、現役合格数がわからない学校も多いですが)。浪人生の場合、合否確認の手間がかかるという事情はあるにせよ、確認そのものが不可能だとは思えません。

なかには洛西高校のように当初は現役・浪人両方の実績をホームページに公開していたのに、現役のみに変更してしまった学校もあります。まさか「浪人した生徒のことなど、もう知らん」と高校側が思っているわけではないでしょうし…。教育委員会に何らかの方針があるのでしょうか?

なお、表の一番右の「難関大占有率」というのは国公立大合格者数に占める難関10大学プラス医学部合格者数(表の「①~⑪計」)の割合です。国公立大学とひとくちにいっても、難易度の点では上から下まで様々ですので、各校の特徴をあらわす指標としてつけ加えてみました。上位4校(堀川、西京、洛北、嵯峨野)の難関大割合が他校とくらべて群を抜いて高いことがわかると思います。

記事にある「学力層の序列化」を考察するならば単純な合格総数だけではなく、こういった比率も考える必要があると思います。

ところで、公立高校といっても各高校には特色があり、専門学科の有無や在籍する生徒数なども大きく異なります。国公立大学の合格総数でランキングすると、同じような学力層の高校の場合は当然、生徒数が多い学校のほうが上位になります。

そこで、生徒数による影響をなくために合格総数を卒業生数で割った「合格率」でランキングすると以下のようになります(各校の条件を揃えるために現役合格数のみで算出します)。

 

国公立大学 現役合格率ランキング(府内公立高)

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僅差ですが、「数」で1位の嵯峨野に代わって、西京が「率」では1位となりました。堀川は最難関、難関大の受験者が多いために浪人率も高く、現役のみの合格率では3位となります。浪人を含めた合格率では77%で堀川が他を引き離して1位です。

もちろん、西京や嵯峨野、洛北も難関大受験者は多いので浪人を含めた合格率は、これらの3校もそれぞれ上昇します。

京都府北部の福知山も43.9%と高水準です。上位層が旧帝大や神戸大等の難関大に合格するだけではなく、多くの生徒が全国各地の国公立大へ進学しています。宮津や峰山、西舞鶴なども同様だと思いますが、京都府北部の高校の場合、どの大学に進学しようとも自宅を離れて1人暮らしが必要になるので、府南部の高校と比較すれと関西圏の国公立や関関同立へのこだわりは低いようにみえます。その分、全国各地の国公立大へ積極的に進学しているのではないでしょうか。

山城通学圏の進学校として知られる南陽と城南菱創は卒業生数では100人以上違うため「数」では差があるようにみえますが、「率」を算出してみると国公立大合格率でも、難関大合格率でも同じような数字となりました。少なくとも今年の卒業生については両校は同程度の進学実績だったと言えると思います。