前回、洛星の大学合格実績の推移をグラフにしてみましたので、京都の私立進学校のもう一方の雄である洛南についても同様にグラフを作りました。
※洛星は2002年からの15年間のグラフでしたが、洛南は2002年医学部合格数がはっきりしませんでしたので2003年からの14年分を作成しました。
洛南は2006年に中学・高校共に共学化しています。それぞれの女子1期生が大学入試を迎えた2009年、2012年に大学合格実績も上向いているのがわかります。
京都を代表する進学校である洛星ですが、今年の大学合格実績では京都大学への合格者が大きく減少しました。
まだ後期(法学部)の合格数は判明していませんし、国公立大医学部の合格数についても全体像はわからないので、洛星の進学実績が極端に落ち込んだのかどうかは現時点では判断できません。
とはいえ、気にはなるので過去15年間の合格数の推移をグラフにしてみました。
※2016年の医学部合格数を修正(2017/04/20)
※2015年の医学部合格数を修正(2017/09/05)
卒業生数は2004年までは260人前後、2005年以降は220人前後と変わっていますので、卒業生数に対する合格者の割合として「合格率」を折れ線グラフで表現しています。
当然、年によって上下に変動がありますが15年間を全体として見渡すと2010年を境にして、ゆるやかな低下傾向にあることが見て取れます(合格率が50%を切る年が増えている)。
今年の現時点での合格判明数(東大10、京大46)は近年では最低の合格率となった2010年の実績によく似ています。仮に今年の国公立大医学部の合格者数が昨年並み(35人程度)ならば合格率は42%前後です。もちろん、京大が減った分、医学部が大幅に増えて全体としては50%前後を維持している可能性もあります。
今年の数字が揃ったら、このグラフを更新したものを改めてアップしたいと思います。
国公立大学の前期日程の合格発表がおこなわれました。
そこで、いわゆる難関国立10大学(旧帝大7校および一橋、東工大、神戸大)の合格数について、現時点で判明している分で京都府内の高校のランキングを作ってみました。人数が同じ場合は東大京大の合格数が多い方を上位としています。
国公立大医学部については、まだ部分的にしか判りませんので集計には含んでいません。また、合格数が同じ場合は東大京大の数が多い方を上位にしています。
前期分のみの数字なので京大を含め、後期の発表によって上積みされる可能性がありますが、現時点で目立つのは洛星と堀川の京大合格数の減少です。
堀川は東大の合格数が大幅に増えている(過去最高)ので上位層が東大受験にシフトしたのかなとも思われますが、洛星の場合は、東大が前年よりも増えたとはいえ、東大10名は洛星の過去の実績からみると特別多いわけではないので、東大志向が強まったとは考えにくいです。医学部のほうに流れたのでしょうか?
洛南は東大が前年比7人増で一昨年の水準に戻しました。京大も前年並みです。
西京は京大が前年比6人増で、学校創立以来初の京大合格者30人越えです。西京と同じ公立中高一貫校である洛北も東大、京大ともに前年から増加しています。どちらも中高一貫1期生が卒業した2010年に大学合格実績で成果をあげてから中学受験をした最初の学年(2011年入学)ですので、合格実績が伸びるだろうと予想されていましたが、期待通りの成果をあげたといえます。
公立御三家の一角である嵯峨野も3年ぶりに東大合格者が生まれ(しかも3名も)、京大も前年比で3人増えました。その分、阪大と神大の合格数は減っているようですが。
京都教育大付属の京大合格は5名にとどまりました。もし、このまま確定すればすくなくとも過去50年間では最少の合格者数だと思われます。
昨日、今日と国公立大学の前期試験が行われています。
前期試験の合格発表は3月上旬になりますが、国公立大学の推薦・AO入試の合格発表はすでにされています。
京都の高校の難関国立10大学(旧帝大+東工大、一橋大、神戸大)推薦・AO入試合格数は以下のような状況です。
※1 京大に洛星1名追加(2017/03/10)
※2 東大に洛星1名追加(2017/03/14)
※3 京大に園部、洛南各1名追加(2017/07/15)
■東京大学
洛北1(農)
洛星1(理)※2
■京都大学
西京6(人健2 文1 教育1 工1 農1)
洛北2(工1 人健1)
京都女子2(文1 農1)
園部1(文)※3
堀川1(理)
桃山1(農)
洛星1(農)※1
洛南1(理)※3
立命館1(人健)
■大阪大学
桃山2 西京1 堀川1 洛北1
■神戸大学
西京2 洛北2 嵯峨野1 城南菱創1 桃山1
桃山2 嵯峨野1
■東北大学
嵯峨野1 桃山1
桃山2 西京1 堀川1 花園1
洛北と洛星は東大推薦入試で2年連続の合格者輩出です。
京大特色入試では西京、堀川、洛北、洛星、洛南、立命館が昨年に続いて合格者を出しました。特に西京は全国最多の6名合格と際立っています。
桃山は京大1名をはじめ、難関10大学合計で今年9名が合格しています。昨年度入試では桃山からの難関10大学合格数は最終的に10名でしたが、今年はすでに推薦・AO入試だけで昨年並みの合格数になっていますので、一般入試を含めると大幅に合格数が伸びそうです。
2016年入試における京都の高校から京都大学への合格者数のランキングと、現役合格者数および現役合格の割合をまとめました。
現役合格の割合は各高校とも年によって大きく変動しますし、合格者数の少ない高校ほど極端な数字になるので、単年度での比較にはあまり意味はないと思います。
ただ、各高校の公式サイトの進路実績の中には、大学別の合格者総数のみが記載され、現役と浪人の区別が分からない学校もあるので、参考のため掲載します。
前回の記事では京都の高校の2016年大学入試における大学合格実績を東大・京大・国公立医学部の合格数合計の順に一覧にしました。
今回は2010年以降の過去7年間の推移を上位7校についてグラフにして見てみます。
7校を1つのグラフにすると下位の変化がわかりにくいので上位3校と4位~7位の4校にグラフを分けました。上位3校については前回記事で述べましたので、4位以下について特徴を考えてみます。
西京は東大・京大・国医合格数が過去最高の39名となりました。東大・京大は前年並みでしたが、医学部が倍増(5→10)しています。難関10大学+国医は昨年からは減りましたが、2年連続で100を超えています。
洛北は京大が前年比10減というのが目に付きますが、一方で医学部は7人合格と増加したため合計では前年28から3減にとどめ、中高一貫の1期生が卒業した2010年以降では2番目の実績です。また難関10大学+国医では前年比2増で、2010年以降では最多となりました。
京教附属は京大合格数が前年比で増加(8→14)しましたが、医学部の半減(8→4)や京大現役合格数が前年と同数の5名であることから、この数年の低下傾向はまだ続いているように思われます。
嵯峨野は東大・京大・国医合格数が2年連続で減少している点や京大現役合格が10年ぶりに1桁台となったことが目立ちます。反面、阪大・神戸大の合格数は大幅に増加して、難関10大学+国医の合計数は過去最高になりました。従来、京大に挑んでいた層が安全志向で阪大、神戸に流れているのかもしれません。
毎年春になるとサンデー毎日や週刊朝日には高校別の大学合格数が特集されます。また、各高校の公式サイトにも合格実績が掲載されます。
こちらでは、それらの情報を基に京都の高校の2016年春の大学入試における進学実績についてまとめてみました。
※各校の合格数は浪人生を含んだものです
大学受験の中でも最難関とされる東大・京大・国公立大医学部医学科(東・京・国医)の合格者数の合計が多い順番でランキングしました。
また、東・京・国医にその他の旧帝大と一橋大、東工大、神戸大の合格者数を合わせた数字(旧帝一工神+国医)も掲載しました。
もちろん、上記の大学以外にも良い大学はたくさんあると思っていますが、いわゆる進学校とよばれる高校のひとつの指標として、大手予備校が難関10大学としている上記大学と国公立医学部合格数で集計してみました。
京都トップは例年通り洛南です。昨年は24年連続1位だった京大合格数日本一の座を奈良の西大和学園に明け渡しましたが、今年は1位に返り咲きました。かつてと比べると東大・京大への合格数は大幅に減っていますが医学部合格数81は洛南としては過去2番目の多さで、全国でも東海、灘、ラサールに次いで4番目でした。
2位洛星も例年通り。京大合格数は前年より3増やしました。ただ、東大合格は5名で2009年以来、7年ぶりの1ケタ合格に止まり、医学部合格数も前年より減っていますので全体としては実績が下がった年という印象です。また、表にはありませんが京大の現役合格が24名だったのも、少なくとも過去30年では最も少ない数だと思われます。とはいえ、卒業生数に対する東・京・国医合格数の割合は44.5%(98/220)ですので、合格率で考えると京都随一の学校であることは間違いないでしょう。
※卒業生数に対する合格率については、浪人生を含める計算では意味がないとか、学力コース別になっている高校の比較方法など異論があるとは思いますが、大まかな目安として使用しています。
3位堀川も、この10年来の定位置です。今年は東・京・国医で過去最高の83名となり、2位洛星との差が縮まりました。また、旧帝一工神+国医の合計では初めて洛星を上回りました。京都の公立高校の類・類型制が廃止となった2014年度入学生が大学入試を迎える来年以降、堀川の進学実績はさらに伸びるのではないかと予想されていますので、場合によっては今後数年の内に洛星と堀川の順位が入れ替わる可能性が出てきたのかもしれません。